2020/07/09

高まる歯科衛生士への期待-がん治療・手術を行う患者さんへの口腔ケア-

みなさん初めまして。研究開発部で働いている歯科衛生士のLです。


私は主にがん患者さんの口腔ケアに関するセミナーや媒体作成、製品の臨床的有効性評価などの業務を日々行っています。


今回はがん治療を行う患者さんや手術前の患者さんと歯科衛生士の関わりについてご紹介したいと思います。


・がん治療中はお口の中も注目!


がん治療で抗がん剤や放射線治療を行うとき、その副作用が口腔内にも現れるといったことを聞いたことはありますか?


例えば口腔粘膜が荒れて「しみる、痛い」といった症状が出てきたり(口腔粘膜炎)、唾液腺に作用して口腔乾燥を引き起こすことがあります。こういった口腔内に現れる副作用の症状が重症化すると、がん治療そのものを続けられなくなることもあるのです。


がん治療を円滑に進めるためには、歯科医師・歯科衛生士が患者さんへの口腔ケアやセルフケア指導を行い、副作用の症状を軽減化させることが重要という認識が全国で広まってきています。


サンスターでも、がん治療中の患者さんのために低刺激のハブラシ、ハミガキ、保湿剤を取り扱っています。


また、医療従事者向けに情報提供を行うWebページも作成していますので、日々の臨床の参考になれば幸いです。


・手術「前」にも口腔ケアをしよう!


口腔内の細菌が原因となって手術後に発症する肺炎等の感染症リスクを低下させるため、手術前に口腔内を綺麗にしておくことが注目されています。


これはがん患者さんだけでなく、心臓、臓器移植、造血幹細胞移植、人工関節置換術、脳卒中等で手術をする患者さんも同様です。特別な処置を行う、という訳ではなく、普段の診療の様に患者さんの口腔に合わせた歯石除去やPMTC、セルフケア指導を行っています。


・歯科衛生士として、チーム医療に加わろう!


高齢者や有病者が増加する今、がんの治療前/中/後の患者さんや手術を控えている患者さんを歯科診療所でも診ることが多くなります。その際は患者さんの治療時期や病状といった「情報」があると対応がしやすくなりますので病院の歯科や主科との連携が望まれます。


そして、多職種で患者さんのQOLを支えていくために、歯科衛生士もその一員として必要とされる時代になってきました。


疾患に関する知識をより一層深め、他の職種がどんな役割を担っているか調べてみるのもきっと役に立つでしょう。


がん患者さんへの口腔ケアについてもっと知りたい!という方は、4/27掲載の「STAY HOME,STAY HEALTHY!サンスターからの提案です!」で紹介されている「ヒポクラテスの誓い」も是非ご覧ください。


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