皆さんこんにちは!営業部のFです!
今回は、「脳卒中」をテーマに、脳卒中になった方の口腔内におこりうることや、
脳卒中発症後の口腔内の健康を守るために歯科衛生士ができることを見ていきましょう!
1、脳卒中とは
脳卒中は、脳の血管が急に破れたり、詰まったりして脳の血液の循環に障害をきたし、
様々な症状を起こす病気です。
まずは脳卒中の分類や原因を見ていきましょう!
脳卒中は、脳の血管が破れる「脳出血」と血管が詰まる「脳梗塞」に大別されます。
さらにその中でもいくつかに分けられています。
脳出血―実質内出血:脳の組織自体に出血が起こる
―クモ膜下出血:脳の表面であるクモ膜下腔に出血が起こる
脳梗塞―心原性脳塞栓症
―アテローム血栓性脳梗塞
―ラクナ梗塞
また、脳卒中発症に関わる危険因子としては、「高血圧」「脂質代謝異常」「糖代謝異常」「非弁膜症性心房細動」などがあります。ほかにも、遺伝的な要因であったり、暴飲暴食や過食といった生活習慣の悪化やストレスが加わり危険因子が形成されていきます。
2、脳卒中の方の口腔内
続いて、脳卒中の方におこりうる口腔内の変化を見ていきます。
①食べる・飲むことの問題
体に麻痺がある場合には口腔の感覚が低下したり、動かしにくくなります。よって咀嚼や嚥下、義歯の使用などが難しくなります。
②腕や手の動きにくさ
自分でブラッシングをすることが難しくなるため、う蝕や歯周病の進行を防ぐにはブラッシングに工夫や介
助が必要になります。
③顔や口腔の感覚低下
食事中に食べ物が口腔内にあることに気づかず残ってしまうことも。また、口唇や頬粘膜を噛んで傷をつくってしまうこともあります。
④顔面の麻痺
顔や口腔に麻痺があると左右バランスよく噛むことや、口を閉じて飲み込むことが難しくなります。すると誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
3、脳卒中の方の口腔の健康を守るために
最後に、脳卒中の方の口腔の健康を保つために歯科衛生士が提案・実践できることを見ていきましょう!
3、脳卒中の方の口腔の健康を守るために
最後に、脳卒中の方の口腔の健康を保つために歯科衛生士が提案・実践できることを見ていきましょう!
①食べ物の調理や形状の工夫
「うまく噛めない」「食事の時によくむせる」といったような口腔機能の低下がみられる方の場合、誤嚥のリスクを低下させるためにも調理の工夫が必要です。例えば、「歯肉でつぶせる柔らかさまで加熱する」「つなぎやとろみづけになる食材を加えることでのどに送りやすい形状にする」などの工夫ができますね!
②ブラッシングの工夫
ハブラシを選ぶ際にも工夫をするとブラッシングしやすくなります。
・握力が弱っている方:握りやすい太い柄で、軽いハブラシを選ぶ
・細かい動きが難しい方:しっかりハブラシの毛先を歯面に当てられる刷毛部の大きいハブラシを選ぶ
・手の震えがある場合:重めのハブラシを選ぶ
③口腔のリハビリ
口腔機能を維持するために、嚥下体操や咀嚼訓練、咳嗽訓練などを行うようにしましょう。
舌の体操▼
脳卒中をはじめとした脳血管疾患の治療や経過観察などで通院している患者数は174万人程いる※といわれています。今後脳卒中の患者さんが来院されたときにぜひ今回の内容をお役立ていただけると嬉しいです!
また、今回の内容は【クラブサンスタープロ】内【お役立ち情報】▶【患者さん向け情報】内にある
『脳卒中の方のお口の健康を守るために』という冊子の中に詳細が書かれています!
ぜひそちらもご覧ください!
脳卒中の方のお口の健康を守るために: 脳卒中の方のお口の健康を守るために
※厚生労働省 「令和2年患者調査」