皆さんこんにちは!診療所のEです。
マスクを外して過ごすことも増えてきて、今まで隠れていた口元を見せる機会も増えてきましたね!診療所の患者さんでも、お口の健康だけでなく、見た目も良くしたいとお話される方がより増えてきているように感じます。
そこで今回は“OHIで話したい”ホワイトニングについてお伝えしていきたいと思います。
(OHI:Oral Hygiene Instruction,口腔衛生指導)
皆さんはホワイトニングと言われると歯のブリーチをイメージされるのではないでしょうか?これは患者さんも同じ場合が多いです。
市販品の歯磨剤や洗口液、最近ではエステサロンなどでもホワイトニングという文字を見かけますが、これは皆さんがイメージするホワイトニングの効果はあるでしょうか?
答えはNoです。これを読んでいる皆さんの中にも患者さんから歯を白くするという歯磨剤を使っても歯が白くならないという相談を受けたことのある方もいるのではないでしょうか?これらはあくまでも清掃剤(研磨剤)や発泡剤を用いて薄く表面的に沈着したステインを除去するものに過ぎないため、歯そのものの明るさに変化をもたらすことはできないのです。そのため、歯磨剤については歯の色を白くするというよりも、ステインが沈着してしまう前にその原因を取り除くものであるということをお伝えしたうえで患者さんにご使用していただくとよいでしょう。
歯科でのホワイトニングについては、前述した通りブリーチするというイメージから、かなり白くなるイメージの方も多く、患者さんによっては作り物のような歯になってしまうのではないかと心配される方もいらっしゃいます。特に、年齢を重ねた方であればあるほど、より自然な色調を求められ、“もう歳だからホワイトニングまでするのはどうなのかな...”とおっしゃる方もよく見かけます。
しかし、ホワイトニングについては効果が出るのが早いオフィスホワイトニングでも1回の施術で不自然に感じるほど白くなることは少なく、自然な色調を求める患者さんの希望にも対応することが可能です。
実際にホワイトニングを行う際に、効果が得られるようにするためには、私たち歯科衛生士だけでなく、患者さん側にも準備が必要な場合があります。
ホワイトニングの薬剤はエナメル質内部の有機質を分解することにより漂白効果を得ているため、歯の表面に有機質であるプラークが多く付着していると、エナメル質内部の有機質に作用する前にプラークに作用してしまいます。つまり、患者さんのプラークコントロールが不良の場合には得られる効果が少なくなってしまう可能性があるのです。そのため、患者さんにはそのことをしっかりとお伝えし、プラークコントロールが良好な状態で施術を受けていただけるようにすることが望ましいです。
ホワイトニング後は見た目の変化から、口元への意識が高まる患者さんが多くいらっしゃいます。白くなった歯を見て、“どうすれば長持ちしますか?”と質問を受けることも多く、このタイミングはより指導を熱心に聞いてもらえるチャンスです。
今日はホワイトニングのアポイントだからホワイトニングだけしておしまい、ではなく、口腔衛生状態を良好に保つことの大切さをお伝えできるとよいでしょう。
ホワイトニングは審美目的の処置のため、治療と切り離して考えてしまうことも多いと思いますが、患者さんのやる気を引き出すための一助となることもあります。OHIを担当する歯科衛生士はこのチャンスを見逃すことなく指導に活用していきたいものですね。