皆さんこんにちは!
営業部のSです。
いつも歯科衛生士コラムをご愛読いただき、ありがとうございます。
以前、取り上げたテーマで「フッ素の基礎知識」についてご紹介しましたが、(詳しくはこちらをご覧ください♪)
今回は「フッ化物の応用方法」についてお伝えします。
フッ化物利用は、歯質のむし歯抵抗性(耐酸性の獲得・結晶性の向上・再石灰化の促進)を高めてむし歯を予防する方法です。全身応用(経口的に摂取されたフッ化物を歯の形成期にエナメル質に作用させる)と局所応用(フッ化物を直接歯面に作用させる)があります。
有効性・安全性に関する証拠が確認されています。
① フッ化物の全身応用とは
経口的に摂取され消化管で吸収されたフッ化物が、歯の形成期にエナメル質に取り込まれ、むし歯抵抗性の高い歯が形成されます。
同時に萌出後の歯の表面にも直接フッ化物が作用します。
WF・フッ化物錠剤・フッ化物添加食塩・フッ化物添加ミルクが含まれます。
(※WF・・・水道水フロリデーション)
今回は全身応用の中でも「水道水フロリデ―ション」をピックアップしてご説明します!
●水道水フロリデーション
水道水フロリデーションとは、むし歯を予防するために飲料水中のフッ化物濃度を歯のフッ素症の流行がなくむし歯の発生を大きく抑制する適正量(約1ppm)まで調整するという自然を模倣した方法です。
現状のむし歯有病状況を半分以下にするという効果が確認されており、安全性と効果については専門機関が保証しています。緑茶や紅茶にもフッ化物が含まれますが、その濃度は水道水フロリデーションと同じくらいであり、身近な食品に近い濃度のフッ化物でむし歯を予防する方法として知られています。
② フッ化物の局所応用とは
萌出後の歯面に直接フッ化物を作用させる方法です。
フッ化物歯面塗布・フッ化物洗口・フッ化物配合歯磨剤が含まれます。
●フッ化物歯面塗布
比較的高濃度のフッ化物溶液やゲル(ジェル)を歯科医師・歯科衛生士が歯面に塗布する方法です。
乳歯むし歯の予防として1歳児から、また成人では根面むし歯の予防として実施されています。
矯正治療中の患者さんや唾液流量の低下している人など、むし歯になるリスクの高い人に対して他のフッ化物応用法に加えて実施されています。
●フッ化物洗口
一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5~10ml)を用いて、1分間ブクブクうがいを行う方法で、永久歯のむし歯予防手段として有効です。
フッ化物洗口液は歯科医院やドラッグストアなどでも購入できるので、ご家庭でのセルフケアにも取り入れやすいですね!また、保育園や幼稚園、小学校などで集団で実施されているところもあるようです。
●フッ化物配合歯磨剤
フッ化物(モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)・フッ化ナトリウム・フッ化第一スズ)を含む歯磨剤です。
幼児から高齢者まで生涯を通じて家庭で利用できる身近なフッ化物応用で、世界で最も利用人口が多い方法です。
出典:
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット フッ化物利用(概論)
フッ化物利用(概論) | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット フッ化物歯面塗布
フッ化物歯面塗布 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット フッ化物洗口
フッ化物洗口 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット フッ化物配合歯磨剤
フッ化物配合歯磨剤をうまく組み合わせることで、より高いう蝕予防効果が期待できるので、特にう蝕リスクの高い患者さんには積極的に活用していきたいですね!
次回のコラムもお楽しみに♪