皆さんこんにちは!
営業部Oです☺
今回は、大人のう蝕の1つである<根面う蝕>について、原因と対策をお話していきます。
根面う蝕とは、下図のように、歯肉が退縮することで露出した歯の根面に発生するう蝕のことですが、露出した根面はう蝕になりやすい&進行しやすいと言われています。
その理由を3点挙げていますので復習していきましょう!
① セメント質は薄い!
エナメル質は約2㎜の厚さに対して、セメント質は約20ミクロンといわれています。
20ミクロンはオブラートと同等な薄さであり、根面がう蝕になっているかも?と思った時には、う蝕が象牙質まで進行している可能性が高いのです。
② 酸に弱い!
象牙質とエナメル質の臨界pH※1を比較すると、象牙質が酸に弱いことが分かります。
(※1歯質がミネラルの喪失を起こすもっとも高いpHの値)
よって、象牙質(根面)は酸に弱く歯が溶けやすい状態にあり、う蝕になりやすいのです。
③ 唾液による修復力が弱い!
唾液には歯の無機質に対してう蝕から守り修復する力がありますが、
エナメル質と比べ、象牙質は有機質が多く、唾液による修復作用が弱いため、う蝕になりやすいです。
そんな根面う蝕を予防するために、下記3点の基本をおさえることが重要です!
① 歯周病予防
…そもそも根面う蝕は歯周病などで根面が露出することによって起こります。根面露出を防ぐために歯周病予防も大切です。【根面部分がむし歯になりやすい ⇒ 根面が露出しないように歯肉のケアもしっかりしよう!】という流れの大切さを日々の診療で患者さんにお伝えいただけたら嬉しいです♪
② フッ化物の有効活用
…日頃のセルフケアや歯科医院でのプロフェッショナルケアにフッ化物を活用することで、より高いう蝕予防効果が期待できます。
(詳しくはこちらのコラムをご覧ください▶https://www.club-sunstar-pro.jp/content/dental-information/3310/)患者さんのう蝕リスクに合わせて推奨していきたいですね!
③ ブラッシング方法の見直し
…みがき残しや、過度なブラッシング圧による歯肉退縮などを防ぐためにも、患者さんにあったブラッシング方法をお伝えすることが大切です。
今回取り上げた根面う蝕は30歳代から罹患者が増えてきます📈※2
中年層だけでなく若年層の方にも根面う蝕を理解していただき、早い段階から予防に取り組んでいただくために
OHIの時にぜひお話してみてください!
<※2調査概要>
2016年11月から2017年1月の2ヶ月間に一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所に通院し、カルテデータの使用に同意を得ている20歳代~80歳代の男女を調査対象者とした(調査対象者298名)。調査対象者のカルテを千里歯科診療所の歯科医師が匿名化したうえでデータ抽出を行った資料の提供を受け、根面う蝕有病率、根面う蝕重症度と歯周病重症度の関連性を調査した。
次回のコラムもお楽しみに☺