こんにちは、歯科衛生士のVです。
本日は、がん治療中の患者さんにおける、口腔トラブルとそのケアについてご紹介します。
がんの通院治療を受けながら、歯科医院に来院されるパターンもあるかと思います。
患者さんの指導の際に少しでもお役立ていただける内容となれば幸いです!
●がん治療中の2大口腔トラブル
①口腔粘膜炎 ②口腔乾燥
がん治療中は、口腔粘膜が特に影響を受けやすい部位のひとつで、多くのトラブルが生じます。
① 口腔粘膜炎とは?
抗がん剤や放射線が口腔の粘膜(舌、歯肉、口唇や頬粘膜など)の細胞に直接影響して起こる炎症状態のこと。
口腔粘膜炎があると・・・
口腔粘膜炎の症状がひどくなると・・・
・痛みが強く、食事を摂ったり、飲み込んだりができなくなります。
・口腔粘膜炎の部分から細菌が入り、感染症を起こすことがあります。
② 口腔乾燥とは?
抗がん剤や放射線治療後、唾液を分泌する細胞への直接ダメージより、唾液の分泌量が減り、口腔内が乾燥した状態をいいます。
口腔乾燥があると・・・
口腔乾燥の症状がひどくなると・・・
・う蝕が多発しやすくなります。
・乾燥感に加え、灼熱感など痛みを感じるようになり、会話や食事を摂ったり、
飲み込んだりすることが難しくなります。
・義歯が外れやすくなります。
●口腔粘膜炎・口腔乾燥のケア 4か条
① 口腔内や義歯を清潔に保つ
→この時期は、ハブラシが、頬粘膜にあたって痛みが出たり、歯磨剤が刺激となり痛みが出ます。
できるだけ、粘膜に刺激のない方法でみがきましょう!
② 口腔内を潤す
→抗がん剤や放射線治療を行うと、唾液腺の働きが弱まって、口腔内が乾燥し、粘膜に傷ができやすくなります。口腔内や口唇を保湿することで、粘膜が保護されて傷つきにくくなります。
③ 痛みをやわらげる(鎮痛剤を使用する)
→痛みが強いときは、医師に鎮痛剤を処方してもらいましょう。
口腔内から食事を摂ることができない場合には、食事の前に鎮痛剤を使用しましょう。
④ 歯のメインテナンス
→治療を受ける前に、口腔内のケアをしておくと、口腔粘膜炎や口腔乾燥の症状を軽くできます。
また治療中は、免疫力が低下して、歯や歯肉に感染しやすいので、痛みや乾燥がなくても、口腔内を清潔にしておくことが大切です。
参考:がん治療中のお口のトラブルとケア
いかがでしたでしょうか?
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次回のコラムもお楽しみに♪