2022/09/27

今注目の殺菌剤CPCとは?

今回は、サンスター研究員から、殺菌成分「塩化セチルピリジニウム(CPC)」の効果と関連する論文をご紹介させていただきます!

 


一般的にハミガキに活用される殺菌剤としては、CPC、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、ラウロイルサルコシンなどがあります。

サンスターではそれらの殺菌剤の中で、CPCに注目した商品開発を行っており、地道な研究の積み重ねがCPC活用のきっかけとなりました。

 

嫌気性の歯周病菌は、酸素がある環境では培養できません。

しかし、NY州立大学バッファロー校に留学したサンスター研究員が培養法の習得に成功しました。

その培養法を元に、歯周病菌に有効な殺菌剤の評価が繰り返され、様々な殺菌剤の有効性評価試験を経て、歯周病菌に効き目の高いCPCが選ばれたのです。



CPCは、細菌に吸着し細胞膜を変性させることで殺菌性を有し、低濃度でも菌体に結合して殺菌効果を発揮することができます。

さらに、上のイラストの様に歯面や粘膜等に吸着することで滞留効果を示し、プラークの再形成を抑制する効果が期待されます。



 

サンスターでは日々、殺菌剤の研究を続けています。

 

口腔内は常に唾液が分泌されていますが、その唾液の殺菌剤への影響については検討されていませんでした。

そこで、唾液による希釈や唾液成分の存在を考慮し、歯周病等に関連する口腔細菌10菌種に対する、CPCの殺菌効果を検討した結果 …… 

CPC水溶液は製剤に含有される実使用濃度である50 mg/100 mlの濃度で、評価した全ての菌種を1分以内に殺菌しました。

また、唾液添加により殺菌に要する時間は延長したものの、CPC水溶液は50mg/100 mlの濃度で9菌種を1分以内に殺菌しました。

(例えば … 唾液なしの条件では15秒で殺菌されていたものが、唾液添加で30秒に延長したものもありましたが、1菌種を除いた9菌種は1分以内に殺菌されました。)


つまり、唾液成分の影響が予想される使用シーンでも、CPCは高い殺菌効果が期待できます。


この研究は、学術的にも評価され、海外の学術雑誌「Biocontrol Science」に掲載されました[i]



このように、CPCは歯周病菌を含め口腔細菌に対して効き目の高い殺菌剤です。

ぜひ患者様にもCPCが配合された商品をオススメしてみてください!


    


次回のコラムもお楽しみに





[i] Rika Urakawa, et al., Biocontrol Sci. 2020;25(2):45-53., Effects of Diluents, Saliva and Other Organics on the Microbicidal Activity of Cetylpyridinium Chloride and Povidone-iodine


 

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