2023/05/18

薬局でできるオーラルフレイル対策①

皆さん、第1回~第3回のコラムをご覧いただけたでしょうか?

まだの方は、ぜひそちらをご覧のうえ第4回を読み進めていただけたら嬉しいです。

▶第1回はこちら

▶第2回はこちら

▶第3回はこちら       

さて、前回のコラムの最後に重要なポイントをお伝えしました。

「オーラルフレイルは適切なアプローチで改善が可能である」

この適切なアプローチについて、今回と次回の2回に分けてお伝えしたいと思います。

保険薬局で患者さんへお伝えいただきたい内容をまとめました。オーラルフレイル対策を行い、全身のフレイルそして要介護になることを防ぐために、ぜひ現場でご活用ください。 

患者さんにささいなお口のトラブルの兆候が見られた際、その症状は全身のフレイルへと進行していくことと、対策としてこちらのポイント2つをお伝えいただきたいです。 

東京都健康長寿医療センター・平野浩彦 監修 Mouth&Body Topics vol.4 p.5より一部改編

  

1つ目は噛める歯を残すこと。2つ目がお口の機能を保つこと。この2つに気を付けることが、食べられるお口の維持につながります。

第4回では、1つ目の「噛める歯を残す」についてお話ししたいと思います。 

まず、こちらのデータをご覧ください。永久歯の抜歯原因を調査した結果です。 

8020推進団体 第二回永久歯の抜歯原因調査

  

歯周病とむし歯が歯を失う2大原因であることが明らかですね。

噛める歯を残すためには、この2つの疾患を予防することと、既に罹患している場合は歯科医院で処置をしてもらい補綴物や義歯で食べ物を噛める状態にすることが近道です。

  

歯周病予防むし歯予防に共通するポイントは、プラーク(歯垢)除去です。

プラーク(歯垢)は、ただの食べかすではありません。歯周病やむし歯の原因となる細菌の塊です 。


ハブラシだけでは取り切れない歯間部のプラーク(歯垢)除去には、歯間ブラシやデンタルフロスの併用を強くおすすめします。一度使用してみると、ブラッシング後であっても汚れが残っていることが目に見えて実感できますよ! 

  

また、歯周病予防には殺菌やプラーク(歯垢)付着抑制効果などを持つ薬効成分が配合されている液体製剤を選択するのも手です。液体によって口腔内全体へ薬効成分が行き渡るため、ご高齢で細かい動きが難しい方にもおすすめです。

  

そして、むし歯予防にはフッ素を上手に活用することが効果的であるとわかっています。日常では、フッ素配合ハミガキ・フッ素歯面塗布・フッ素洗口を取り入れることで、フッ素を活用いただけます。

フッ素洗口においては、薬剤師さんや登録販売者の方のみお取り扱いいただける第3類医薬品のフッ素洗口液がホームケア商品として販売されています。ぜひご検討ください!

  

歯周病やむし歯のメカニズム、更に詳しい予防法については、下記リンクより7分程度の動画でチェックできます!よろしければご覧ください。

▶歯周病について見る

▶むし歯について見る

  


噛める歯を残すために、薬剤師さんから患者さんへお伝えできることは沢山あります。

しかし、限られた時間の中で全てをお伝えするのは厳しいため、こちらの患者さん向けリーフレットを活用されてはいかがでしょうか?ブラッシングの方法や歯間清掃具の使用方法、フッ素の働きについてなど、簡潔にわかりやすくまとめられています。一度内容をチェックしてみてください♪

  


今回は、食べられるお口を維持するために必要なポイント2つのうち噛める歯を残すことについてでした。次回は、もう1つのポイントであるお口の機能を保つことに焦点をあててお話しいたします。

そして、次回がオーラルフレイルコラムの最終回となります。ぜひ最後までご覧ください! 

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