これからの歯周病予防はF.n.菌※に注目!~P.g.菌を増殖させるF.n.菌の存在が明らかに~※Fusobacterium nucleatum フゾバクテリウム・ヌクレアタム これからの歯周病予防はF.n.菌※に注目!~P.g.菌を増殖させるF.n.菌の存在が明らかに~※Fusobacterium nucleatum フゾバクテリウム・ヌクレアタム

歯周病の原因となる病原性の高い細菌として、Red complex と称されるPorphyromonas gingivalisP.g.菌)、Treponema denticolaT.d.菌)やTannerella forsythiaT.f.菌)が知られています。

これまで、いかにRed complexに対処するかという視点で歯周病予防が語られてきましたが、近年の研究によりRed complexの増殖を手助けするFusobacterium nucleatumF.n.菌)の存在が注目されるようになってきました。

Fusobacterium nucleatum (F.n.菌)とは

Red complex の代表的な歯周病菌であるP.g.菌には酸素を嫌う性質があり、嫌気環境となる成熟したデンタルプラーク中で多く検出されることはよく知られています。近年、P.g.菌の生育しやすい環境づくりに影響を及ぼす細菌としてF.n.菌が注目を集めています。F.n.菌は口腔内にいる700種類以上の細菌の一つで、古くから普遍的に存在が確認される常在菌です。いわゆるOrange complex に属します。

デンタルプラークにおけるF.n.菌とRed complexの関係

F.n.菌はP.g.菌がデンタルプラーク内で増殖する足場として機能し、酸素のある環境でもP.g.菌の生存を可能にします。

また他にもP.g.菌の栄養源を供給するなど、P.g.菌の生育環境の形成に関係する様々な報告がされています。言わば、F.n.菌はP.g.菌が増殖する家の骨組みであり、実際に進行した病変部のデンタルプラーク中からはP.g.菌とともにF.n.菌が高頻度で検出されます。

F.n.菌に注目した歯周病予防とは

近年の研究では、歯周病を悪化させるP.g.菌への対処に加え、P.g.菌の生育しやすい環境をつくる歯周病菌の増殖を操るF.n.菌へのアプローチが重要と考えられています。F.n.菌に働きかけ、歯周病菌が増えにくい健全な口腔内環境を維持するための「歯周病予防」について、サンスター研究員が動画で解説します。

  • ①歯周病菌の基本と細菌叢変化の話

  • ②嫌気性でも酸素のある環境で増殖する?

  • ③歯周病菌の増殖原因の存在と
    口腔に与える影響

  • ④歯周病菌の増殖原因にまで対処する方法

  • F.n.菌に注目した歯周病予防商品

細菌学の知識を、臨床での歯周病予防に活かしましょう

歯周病予防には定期的な歯科通院とセルフケアが大切です。

患者さんが口腔の健康に対し関心を持ち、患者さんご自身の主治医のような意識をもって定期通院やセルフケアを実践できるようになるためには、オーラルヘルスリテラシーの向上が大切です。患者さんの歯周病への予防意識を高めるコミュニケーションとして、日々の保健指導の中で、口腔内で起きている「P.g.菌とF.n.菌の関係性」や「歯周病菌増殖のメカニズム」の情報を伝えてみませんか?

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